【砂の城】インド未来幻想
「既に時は満ちた。終わりを告げる時間だ。シャニ……存分にこの世を楽しんだだろう。『彼女』ももう返してもらうぞ」
シヴァの視線は眼下のシャニから真っ直ぐ先へ移された。王の玉座の隣に坐す黒ずくめの動かない王妃を捉える。
「戻れ、ガンガー! そなたの宿るべき我が髪に」
途端シヴァの頭に巻かれていたターバンが、生き物の如くスルスルとほどけた。その先端が王妃の黒いマントを絡め取り、白い羽衣を身に着けた女性の裸身が露わになった。見る見るうちに手程に小さくなった美女は、流れる紫黒色の髪に吸い寄せられ、シヴァの頭上に収まった。
聖なる河ガンガーの守り神。彼女を手に入れ操ったシャニは、インドのあらゆる水脈を一手にこの城へ集め、贅を尽くす源を得ていたのだ。
「行こう、パールヴァティー。君を取り戻した私はもう、他には何も要らない」
彼女ごと踵を返してシャニ達全てに背を向けたシヴァは、宮殿の出口を目指し歩き出した。うな垂れたシャニも、言葉を失くした家族も少女達も家臣達も……一同を置き去りに外へ出た。
シヴァの視線は眼下のシャニから真っ直ぐ先へ移された。王の玉座の隣に坐す黒ずくめの動かない王妃を捉える。
「戻れ、ガンガー! そなたの宿るべき我が髪に」
途端シヴァの頭に巻かれていたターバンが、生き物の如くスルスルとほどけた。その先端が王妃の黒いマントを絡め取り、白い羽衣を身に着けた女性の裸身が露わになった。見る見るうちに手程に小さくなった美女は、流れる紫黒色の髪に吸い寄せられ、シヴァの頭上に収まった。
聖なる河ガンガーの守り神。彼女を手に入れ操ったシャニは、インドのあらゆる水脈を一手にこの城へ集め、贅を尽くす源を得ていたのだ。
「行こう、パールヴァティー。君を取り戻した私はもう、他には何も要らない」
彼女ごと踵を返してシャニ達全てに背を向けたシヴァは、宮殿の出口を目指し歩き出した。うな垂れたシャニも、言葉を失くした家族も少女達も家臣達も……一同を置き去りに外へ出た。