スパダリ部長に愛されてます

その後

週明け、横田さんにお礼と報告を兼ねて3人でお昼ご飯を食べに行った。

会社の近くの美味しい定食屋さんに行き、
賢二さんと私が並んで座り、テーブルの向こうに横田さんが座る。
横田さんは朝、ランチを誘った時からずっとニコニコしている。
午前中、仕事中でも、目が合うたびに、「うんうん」とニコニコしている。
何も話してないのに、私の心が読めているのだろうか。

「うんうん、こうならなくちゃね。」
「あのぉ、私はまだ何も。」と言いつつ、
賢二さんを見ながら、「あ、もう部長から話しました?」と聞くと、
「いや、俺も何も言ってない」と賢二さんも困っている。

横田さんがさらに満面の笑みをたたえ、
「もーーー、わかるから!
正式にお付き合いをはじめたんでしょ、
2人を見てればわかるから。」
と、祝福された。

3人それぞれが、日替わり定食のアジフライにかぶりついていると、
「私も狙ってたのに」とぽろっと横田さんの声が聞こえた。
「え、部長のことです?」と私がびっくりして返すと、
横田さんがニコニコしながら、「違うわよー、洋子ちゃんのこと。」と可愛く首をかしげる。
「えぇ!」
衝撃的な告白でびっくりしたけれど、どこまで本気かわからない。
一瞬、きょとんとする私を見ながら、
「うんうん、やっぱり洋子ちゃんはかわいいわー。」
横田さんが私を見ながら、微笑む。
そんな横田さんもとてもキレイだ。
「私も横田さんのこと好きです。いつもとってもステキです。」と返事をした。
「いやーん、ありがとう。
ご飯がすすんじゃう。」

「おいおい。」
女性二人で盛り上がる横で、部長は1人しかめっ面をしていた。
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