Restart~あなたが好きだから~
翌朝。七瀬が専務室に入ると、昨日同様、城之内は既に出勤していた。
「すみません、遅くなりまして。」
七瀬は頭を下げるが、実は今はまだ定時の1時間前だ。
「いいのよ、って言うか、藤堂さん早過ぎだよ。私は勤務が今週いっぱいだから、それまでに片付けたり、あなたに引継ぎしなきゃならないことをまとめる為に、早く来てるだけだから。私だって、普段はせいぜい早くても定時の30分前くらいにしか入ってなかったし。」
そう言って、城之内は笑う。
「そうなんですか?」
「うん。ちなみに専務は重役出勤なんてもちろんされないけど、ほぼ定時に来られるのがほとんど。逆に秘書があんまり早く来てるのが分かったら、本人はもちろん、秘書課長が怒られることになるから注意してね。」
「わかりました。」
それを聞いて、七瀬は少しほっとする。
「ということで、今日から専務が通常通り出勤されるから、私たちも通常運転。今日、明日は私に付いて、1日の流れをとにかく掴んで欲しい。そして残り2日は、藤堂さんにメインで動いてもらって、私は基本的にはもう黙っているから。」
「えっ、それは・・・。」
さすがに・・・と七瀬は言いたかったが
「不安なのはわかるけど、来週からはそれが当たり前になっちゃうんだから。厳しいことを言うようだけど、時間もないから、よろしくね。」
城之内にピシャリと言われてしまえば、七瀬も頷くしかない。
やがて、氷室が出勤して来る。時計を見ると、定時10分前。どうやら先ほどの城之内の言葉はウソではないようだ。
「おはようございます。それでは、本日のスケジュ-ルの確認をお願いします。11時から臨時取締役会で、昨日までの海外出張の報告会、そのあとは取締役のみなさんとの昼食となります。」
「そうか、昼飯一緒に食うんだっけ?じゃ、その時に藤堂さんをみんなに紹介した方がいいな。」
「かしこまりました。ではその時は私も同席させていただいて、退職のご挨拶をさせていただいてもよろしいですか?」
「そうだね。最終日に取締役が会社に揃ってる保証はないからな、そうしてくれ。」
「ありがとうございます。では、藤堂さん、そういうことでよろしくね。」
「はい。」
七瀬は頷くが、いきなり取締役たちへの自分のお披露目の場が決まり、一気に緊張が高まる。
「すみません、遅くなりまして。」
七瀬は頭を下げるが、実は今はまだ定時の1時間前だ。
「いいのよ、って言うか、藤堂さん早過ぎだよ。私は勤務が今週いっぱいだから、それまでに片付けたり、あなたに引継ぎしなきゃならないことをまとめる為に、早く来てるだけだから。私だって、普段はせいぜい早くても定時の30分前くらいにしか入ってなかったし。」
そう言って、城之内は笑う。
「そうなんですか?」
「うん。ちなみに専務は重役出勤なんてもちろんされないけど、ほぼ定時に来られるのがほとんど。逆に秘書があんまり早く来てるのが分かったら、本人はもちろん、秘書課長が怒られることになるから注意してね。」
「わかりました。」
それを聞いて、七瀬は少しほっとする。
「ということで、今日から専務が通常通り出勤されるから、私たちも通常運転。今日、明日は私に付いて、1日の流れをとにかく掴んで欲しい。そして残り2日は、藤堂さんにメインで動いてもらって、私は基本的にはもう黙っているから。」
「えっ、それは・・・。」
さすがに・・・と七瀬は言いたかったが
「不安なのはわかるけど、来週からはそれが当たり前になっちゃうんだから。厳しいことを言うようだけど、時間もないから、よろしくね。」
城之内にピシャリと言われてしまえば、七瀬も頷くしかない。
やがて、氷室が出勤して来る。時計を見ると、定時10分前。どうやら先ほどの城之内の言葉はウソではないようだ。
「おはようございます。それでは、本日のスケジュ-ルの確認をお願いします。11時から臨時取締役会で、昨日までの海外出張の報告会、そのあとは取締役のみなさんとの昼食となります。」
「そうか、昼飯一緒に食うんだっけ?じゃ、その時に藤堂さんをみんなに紹介した方がいいな。」
「かしこまりました。ではその時は私も同席させていただいて、退職のご挨拶をさせていただいてもよろしいですか?」
「そうだね。最終日に取締役が会社に揃ってる保証はないからな、そうしてくれ。」
「ありがとうございます。では、藤堂さん、そういうことでよろしくね。」
「はい。」
七瀬は頷くが、いきなり取締役たちへの自分のお披露目の場が決まり、一気に緊張が高まる。