成瀬課長はヒミツにしたい
 乃菜は寝室に入ると、すぐにベッドに横になる。

 明彦は乃菜に添い寝するように、一緒に布団に入った。


「ねぇパパ。のなね、サンタさんには、2ばんめにほしいものを、おねがいするんだ」

 今にも寝そうになりながら、乃菜が声を出した。

「一番目に欲しいものじゃなくていいのか?」

 明彦の声に、乃菜は大きくうなずく。


「だってね、1ばんめにほしいものは、パパからもらうから」

「え……」

「のなが、1ばんほしいのは、ママなんだもん……」

 乃菜はそこまで言うと、すぐにすーっと寝息を立て出す。


「乃菜……」

 明彦は乃菜の小さな身体を、ぎゅっと抱きしめた。

「ママか……」

 明彦の脳裏に、あの幸せだった日々が思い出された。

 乃菜の誕生をまだかまだかと、指折り数えていた日々。

 明彦は思わず口元を押さえると、そのままベッドにうずくまる。


「……佳菜。どうして乃菜を置いて、先にいっちゃったんだよ」

 乃菜の布団に顔をうずめるように、明彦は声を殺して泣いていた。
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