成瀬課長はヒミツにしたい
「え？　本当にこれって、柊馬なの？！」

　社長は目を丸くさせると、写真と成瀬を何度も見比べる。

「ま、まあな。最高の出来だろ？」

　成瀬は照れ隠しするかのように、わざと鼻を上に向けて答えた。

　その様子に真理子も大笑いする。


　ひとしきり笑った後、社長がもう一度、まじまじと写真を覗き込んだ。

「まぁ、でも。もはや柊馬の原型をとどめてないよね？　誰でも良かったんじゃ……」

　そこまで言って顔を上げる社長を、真理子と成瀬が身を乗り出して睨みつける。

「社～長～！　それ以上言ったら、お仕置きです！」

「お前、人の努力を無にするようなことは言うな！」

　二人は頬をぱんぱんに膨らませて、怒っている。

「じょ、冗談だって。ごめんごめん。あ！　ワイン飲む？」

「飲みませんっ！」


　楽しい笑い声が響く中、クリスマスイブの夜は更けていった。
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