成瀬課長はヒミツにしたい
「俺は生産体制を見直せないか調べてみる。真理子は、賛成派・反対派が歩み寄れることがないか、考えてみてくれないか? 社員が“サワイの未来をもう一度考えるきっかけ”が、あればいいんだけどな」

 真理子は成瀬の言葉に深くうなずく。

 サワイライトを形づくる、電飾玩具とイルミネーションライト。

 それぞれを、もう一度みんなに認識してもらう機会を作れれば……。


「きゃ……。と、柊馬さん?!」

 じっと考え込む真理子に、突然成瀬がのしかかり、真理子はソファに押し倒された。

「仕事の話は、一旦終わり。朝早かったから、急に眠気が……」

 成瀬はそう言うと、真理子の耳元に唇をあてたまま、すうっと寝息を立て出す。

 真理子は驚いたまま、成瀬の顔を覗き込んだ。

 そして、まるで子供の様に、真理子に寄り添いながら眠る成瀬の黒い髪を、そっと指でなぞった。
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