成瀬課長はヒミツにしたい

~番外編~ もう一つのエピローグ ※結婚式の日の一コマです

 賑やかな街並みから一歩入った閑静な住宅地。

 周りを高い木で囲まれた奥に、ひっそりと佇む一件の邸宅。

 昼間は自然光が差し込み、神聖な場として人々を迎え入れるこの建物が、今夜はイルミネーションで包まれている。


「社長。こりゃ随分と気合入ってますね」

 小宮山が(まばゆ)いライトに目を細めながら、明彦を振り返る。

「当然でしょ。サワイライトの総力を挙げて飾り付けましたからね」

 明彦はそう言うと、隣の乃菜にウインクした。

 乃菜はえへへと笑うと、「うん!」と元気にうなずく。

「乃菜ちゃんのデザインですもんね。こりゃあ、二人が見たら驚くだろうな」

 三人は顔を見合わせると、楽しそうにほほ笑みあった。


 成瀬が真理子にプロポーズしてから数カ月。

 今日は二人の結婚式だった。

 挙式と披露宴はすでに親族のみで行っており、夕方のこの時間は親しい友人や同僚を迎えての、いわゆる二次会だ。
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