成瀬課長はヒミツにしたい
『二人のために何かしたい』

 明彦の強い希望に、「じゃあ」と二人が申し出たのが、このゲストハウスのイルミネーションでの装飾だった。

 明彦は多忙な中、乃菜と一緒にデザインを考え、今日の日を迎えていた。


「皆さん集まって来てますね」

 真理子は控室の窓から、そっと外の様子を覗く。

 二次会の会場には、続々と見知った顔が入って行った。

「今頃、建物はライトで包まれてるぞ」

 にんまりする成瀬と一緒に、真理子も肩をすくめて笑う。


「おいで」

 成瀬が手を伸ばし、真理子はその手に引かれるように、腕の中に包まれた。

「真理子、ありがとう」

「お義母さん、泣いてましたね」

「あぁ」

 成瀬は少し照れたように頬を指でかく。


 真理子はついさっきまで自分たちが立っていた、挙式会場を思い出していた。

 両親や家族、親戚。

 みんなが幸せそうに二人を見つめ、心から祝福してくれた。


「私、今本当に幸せです」

 真理子が顔を上げると、成瀬はそっとおでこにキスをした。
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