間違ってる?間違ってない?
26. 彼は?

···変わりないですか?


「こんばんは。
  今日変わった事は、
    ありませんでしたか?」
と、苦笑いをしながら現れる。

「毎日、来られているのに 
   そうそう、変わらないですよ。」
と、呆れ気味に答える私。

この人·····は·····
 忙しく····ないの·····だろうか····?


この人·····とは·······?

  柳田   睦
( やなぎた あつし )さん 30歳
消防署勤務で優志の先輩にあたる方。

あの事件の日
動揺する優志に一喝した方らしい。

それでも多少の動揺はあったが
乗り切れたと優志からきいている。

柳田さんも
「優志に、あんな風に言いましたが
自分が同じ立場でしたら
優志より酷い状態だろうと
思います。」
と、苦笑いをしながら話してくれた。

消防士の人も救急救命士の人も
警察の人も危険と隣り合わせの
仕事をしている人達は·····

いつ我が身かに起こるか
家族や身内に起こるか
わからない。

友人や知人の人かもしれない。
大変な仕事だと思う。

優志は、血溜まりを見て
再度動揺したが
早く病院へ 連れて行かなければ
と、自分を奮い立たせたと。

病院に到着し先生や看護師さんに
私をたくした後
「手の振るえが止まらなかった。」
と、言っていた。

その一部始終を柳田さんは見ていて
補助をしていたらしい。

私の病院に向かうにも手の振るえが
あった為 柳田さんが運転して
連れて来てくれたと。

その日から、毎日柳田さんは、
病室に顔を出す。

勤務帰りであったり
勤務に行く前であったり···だが····

母や優志
倉橋さんや晶ちゃんから
冷やかされるが·····

まだ、離婚したはがり
それに····男の人は·····
しばらくは·····いいかな?·····と。
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