【短】蒼くんは私のことを愛したくてたまらない!
「変で、安っぽい…?」


抱えるマフィンのことを言われているのだと気づいたとたん、心にぽっかりと穴が開いた。


そんな…だってマフィンは他の人にも食べてもらってお墨付きをもらった。形も崩れにくいから問題ないはずなのに…


「藤堂、お前ちょっと言いすぎなんじゃね。女の子、かわいそーじゃんw」


「仕方ねーよ。ファン、だいぶ年下の転校生に持ってかれたらしいから、絶賛マジギレ中」


「手作りチョコは正直重いしな。やっぱ高級チョコに限る」


先輩の周りにいる男子が口々に好き勝手なことを言って笑う。かっこよくない、キラキラなんか欠片もない下卑た笑いだと今気づいた。


「……」


「何か言えよ!」


黙ってしまった私の態度にイラついたのか、先輩は私の肩を強くつかんで揺さぶる。
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