お兄ちゃんなんて呼びたくない
バイバイを言う暇もなく、引かれる腕について行く。

なんで、なんで。なんで航お兄ちゃんがここにいるの?

大好きな背中に着いていくと、そこは昨日ばったり会った公園だった。

昨日と同じようにブランコに腰掛ける航お兄ちゃん。

それを真似するように座る私。

少しの沈黙の後、先に口を開いたのは航お兄ちゃんだった。

「ごめん、勝手に。それ、ほんとにあの人にあげるやつだった?」
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