轍(わだち)〜その恋はお膳立てありき?
「そっか、滋子は純粋な狼犬《ウルハイ》のファンではなかったんだね」
「さあな、俺の腕を見込んでいたのは事実だろうけど」
自分を卑下しなくなった分だけ、千紘の自信は大きくなりつつあるのだろう、と清乃は嬉しくなる。
「私はずっと狼犬《ウルハイ》のファンだからね?」
「ああ、俺もキヨノンのファンだから、そこは疑ってない」
嬉しそうに笑う、そんな千紘を見て、自分は彼の大切な存在になれているのかな、と清乃はくすぐったく感じていた。
「そういえば、ユーザーネームが狼犬《ウルハイ》って、実はちーちゃん動物好きなの?」
清乃は、ずっと疑問に思っていたことをこの際だからと、聞いてみることにした。
「世界で狼犬と正式に認められているのは2種類。サールス·ウルフホンドとチェコスロバキアン·ウルフドッグだ。サーロス・ウルフホンドはオランダのブリーダーが狼と大型犬をかけ合わせて誕生させた犬種。一度、美術館に行く途中で出会ったことがあるんだが、とてもシャイで警戒心が強いところが印象的だった」
ちょっと興味本位に聞いただけなのに、千紘の予想以上の狼犬知識に清乃は少々面食らってしまった。
「狼犬は狼の血を多く引くため、しつけが難しい。しかも家族以外には懐かないらしく、元来群れで行動するため孤独にはとても弱いようなんだ」
それは、清野の持っていたネット情報と相違無いが···。
おやおや?なんだか、話がやばい方向に進んでいる気がして、清乃は心に見えない冷や汗をかいていた。
「狼犬もオレと同じミックスだろ?狼なのか犬なのか、存在が曖昧なところも俺に似ていると思ったんだ」
狼の血が75%のハイパーセントウルフドッグと違って俺はクオーターだけどな、と笑う千紘。
オーマイガー、格好いいネーミングをつけただけだろうと勝手に解釈していたが、実はネガティブな千紘の一面を表す言葉だったなんて。
清乃は長年に渡る素朴な疑問の答えが、そんな意味深な理由を持つものだったなんて···迂闊な質問はするものではない···。
と反省しながらも、やはり“聞いてみる”という最低限のコミュニケーションは大切なんだな、とつくづく実感するのであった。
「さあな、俺の腕を見込んでいたのは事実だろうけど」
自分を卑下しなくなった分だけ、千紘の自信は大きくなりつつあるのだろう、と清乃は嬉しくなる。
「私はずっと狼犬《ウルハイ》のファンだからね?」
「ああ、俺もキヨノンのファンだから、そこは疑ってない」
嬉しそうに笑う、そんな千紘を見て、自分は彼の大切な存在になれているのかな、と清乃はくすぐったく感じていた。
「そういえば、ユーザーネームが狼犬《ウルハイ》って、実はちーちゃん動物好きなの?」
清乃は、ずっと疑問に思っていたことをこの際だからと、聞いてみることにした。
「世界で狼犬と正式に認められているのは2種類。サールス·ウルフホンドとチェコスロバキアン·ウルフドッグだ。サーロス・ウルフホンドはオランダのブリーダーが狼と大型犬をかけ合わせて誕生させた犬種。一度、美術館に行く途中で出会ったことがあるんだが、とてもシャイで警戒心が強いところが印象的だった」
ちょっと興味本位に聞いただけなのに、千紘の予想以上の狼犬知識に清乃は少々面食らってしまった。
「狼犬は狼の血を多く引くため、しつけが難しい。しかも家族以外には懐かないらしく、元来群れで行動するため孤独にはとても弱いようなんだ」
それは、清野の持っていたネット情報と相違無いが···。
おやおや?なんだか、話がやばい方向に進んでいる気がして、清乃は心に見えない冷や汗をかいていた。
「狼犬もオレと同じミックスだろ?狼なのか犬なのか、存在が曖昧なところも俺に似ていると思ったんだ」
狼の血が75%のハイパーセントウルフドッグと違って俺はクオーターだけどな、と笑う千紘。
オーマイガー、格好いいネーミングをつけただけだろうと勝手に解釈していたが、実はネガティブな千紘の一面を表す言葉だったなんて。
清乃は長年に渡る素朴な疑問の答えが、そんな意味深な理由を持つものだったなんて···迂闊な質問はするものではない···。
と反省しながらも、やはり“聞いてみる”という最低限のコミュニケーションは大切なんだな、とつくづく実感するのであった。