婚約してから十年、私に興味が無さそうなので婚約の解消を申し出たら殿下に泣かれてしまいました
「よし! 十周年アニバーサリーのお揃いのリングは?」
もうすぐ婚約して十周年。記念にお揃いのリングを作った。デザインも私がして現地に足を運び選んだ。
「出来上がり次第取りに行って参りまーす」
「なんだ、その間の抜けた返事は」
「呆れているだけです。はい、仕事しますよー」
「…………」
「やらないと増えていくだけですからね!」
「優しい言葉が欲しかっただけだ」
「私どもは優しい方ですよ、ほらほら筆を持って下さい。終わりませんよ? セリーナ嬢とお揃いの万年筆でしたよね? お気に入りの万年筆を使った方が捗りますよ」
「……そうだな。いつもすまない」
どんな時でも最終的には真面目に執務をこなすジェフェリーを側近達は知っていた。
もうすぐ婚約して十周年。記念にお揃いのリングを作った。デザインも私がして現地に足を運び選んだ。
「出来上がり次第取りに行って参りまーす」
「なんだ、その間の抜けた返事は」
「呆れているだけです。はい、仕事しますよー」
「…………」
「やらないと増えていくだけですからね!」
「優しい言葉が欲しかっただけだ」
「私どもは優しい方ですよ、ほらほら筆を持って下さい。終わりませんよ? セリーナ嬢とお揃いの万年筆でしたよね? お気に入りの万年筆を使った方が捗りますよ」
「……そうだな。いつもすまない」
どんな時でも最終的には真面目に執務をこなすジェフェリーを側近達は知っていた。