私の恋人と執事はいつもいがみ合っている
ねぇ、閉じ込めていい?
「━━━━お待たせしました!
すみません、遅くなってしまいました!」

一週間後にクリスマスを控え、星那は蒼志へのクリスマスプレゼントを買いに来ていた。

大騎の恋人・実波(みなみ)、智久の恋人・陽香(きよか)と待ち合わせをし、一緒に買うのだ。

「ううん~」
「蒼志くん、大丈夫だった?」

「あ…はい…」

「「大丈夫じゃなかったんだ……(笑)」」



昨日の大学帰りの車内━━━━━━━

『星那~明日どうするー?
どっか行きたいとこある?
あ!一日中、俺ん家でイチャイチャする?(笑)』
隣に座る星那の顔を覗き込み言った、蒼志。

ほぼ毎日会っている二人。
当然のように言う蒼志に、星那は申し訳なさそうに眉をひそめた。
『あーくん、ごめんね。明日は予定があるの。
だから━━━━━』

『はぁ!!?なんで!?
丸一日会えねぇの?
つか!予定ってなんだよ!』

『うーん。今度話すよ』

『は?まさか星那!男と会うんじゃねぇよなぁ?』

『ま、まさか!!?』

『……………わかった。
星那、くれぐれも気をつけろよ!
つか!どうせ、河冨もついてくんだろ?』

『はい。もちろんです』
運転席から、バックミラー越しに言う。

『だいたい、なんで!
河冨は良くて俺はダメなの?』

『それは……河冨は、仕事だし…』

『………』

『蒼志様。また、僕に無意味な嫉妬を……』

『あ?わかってるっつうの!
……………星那、明後日。覚えてろよ?』
妖しく笑う蒼志に意味深に言われ、解放されたのだった。



「大変ね…(笑)」
「できる限り早く済ませて帰る?
少しでも、蒼志くんに会えるようにしようか?」
「ほら!会えないって思ってて会えると、蒼志くん喜ぶかもよ?」

実波と陽香が、気を遣い言ってくる。

「いえ!大丈夫です!
ゆっくり選びたいし、女子会も楽しみにしてたので!」


それから、デパート内に入る。
出入口で河冨が、丁寧に頭を下げ言った。

「では、お嬢様。
デパートを出る時に、連絡ください。
あと、何かありましたらすぐにご連絡を!
いいですか?
実波さんと陽香さんが一緒だからと、勝手に外に出ないように!」

「うん、わかった!」

微笑む星那に、河冨も微笑み再度頭を下げた。
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