❤️お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない
第十七章 自分の気持ちに気づいた葉月
「そうですか、でも、冨樫さんと私は夫婦ですよね、ここは冨樫さんのマンションだし、
それなのに事務所に寝泊まりして、どうしてですか」

「それは……」

「私に対してひどい仕打ちって何があったんですか」

「自分の口からは申し上げられません」

葉月はもう決めていた、明日もお弁当を作って持って行こうと……

お弁当を作りはじめて、葉月は幸せを感じていた。

私は冨樫雅也が好き。

お弁当を作り終えて、タクシーを呼んだ。

「冨樫組事務所へお願いします」

事務所に到着すると、昨日と同じように明かりがついていた。

そしてやはり鍵がかかっていた。

インターホンを押すと冨樫が応対した。

「どちら様ですか」

「葉月です」

「ヤスシから聞かなかったのか、もうここへはくるなと言ったはずだが……」

「お弁当を作ってきたんです」

「飯はいらない、さっさと帰れ」

葉月は黙ったまま、何も言わない。

ドアのガラスに葉月の姿が映っている。

なんでいつまでそこにいるんだ。

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