キミの空に虹を！

ガチャ

「うわぁ！ドライフラワーだらけだ！」

昨日来たばかりだというのに、部屋はお花屋さんみたいになっていた。

（それに…、花のオイルに押し花も。植物の能力を持ってるからだ！）

「ここで、薬草取って薬作んの。」

紫と黒が混じった髪に差す光の反面、顔に落とす影。

（皆既日食みたいだな。）

花の匂いが鼻をついて、過去の暗さと今を物語っている気がする。

「……波月くんは、カッコいいね。」

「はぁっ！？」

照れてる波月くんはやっぱり可愛い。でも能力で薬を作る、妹を守るのはカッコいい。

バーンっ！

「あれ、また真っ赤だぁ〜！！」

と、ひまりちゃん＆お母さんが部屋に入ってきた！？

「あらあら、もう遅刻するわよ〜。」

しかも、壁の時計を見るともう時間はギリギリっ！

「「遅刻する！」」