キミの空に虹を!
Weather9,二人きり
「あの、暴走止めてくれてありがとう。」

「…はぁっ!?別に当然のことをやっただけだ。」

お礼を言うと、プイッと顔を逸らされる。

やっ、やっぱり暴走止めるの疲れるよね?

(天依が可愛すぎんだけど。)

そんなことを波月くんが思ってるなんてつゆ知らず、私はオロオロ。

ガチャ

(とりあえず家入ろう!)

さっきの、ハッ、ハグのこともあってちょっとあっ、熱い!

(ひまりちゃんが居ないから、ダイブしちゃおう!)

私はユルユルと脱力してソファーにばふっ!

「って、なんでそんなに遠いの?」

「別に…。」

同じくソファーに倒れ込んだ波月くん、でもめちゃくちゃ端っこに座ってる!

(ハグのこともあるだろうけど…遠すぎない?)

もしかして_。

「私のことキライになった?」

あんなに面倒臭い女の子と、同居したくないよね…。

距離を詰めて、顔をゆっくりと覗く。

「ちっ、ちげぇし!」

(その逆なんだよ。アホ。)

「そっか。よかった〜!」

違うという言葉に私はなぜか、とてもホッとする。

(なんでなんだろう…?)

「他の人より嫌われたくないのは。」

なんだか、一生迷っちゃいそうで私は頭から振り払った。

(ふぁ、眠い…。)

私は能力の使い過ぎか、ソファーの上で眠りに落ちていった。
< 30 / 31 >

この作品をシェア

pagetop