月下の逢瀬
「両親も、情けないって言ってるんですよ。学校にも迷惑かけるような騒ぎを起こしてしまって。
こんな風にお友達にも気を使わせちゃうし」
花束から顔を上げた琴乃ちゃんは、眉間を微かに寄せて。
でも口元には笑みを浮かべていた。
この子は、玲奈さんの妹なんだよね?
なのに、何でこんな風に笑って『みっともない』なんて言い切れるんだろう。
「どうか、しました?」
あたしの戸惑いを感じとったのか、首を傾げる。
「え、ええと……。
あれ? 琴乃ちゃんって、もしかして茗誠学園の生徒なの?」
返答に困って視線をさ迷わせて、気が付いた。
品のいい深緑のブレザーに、見覚えがあったのだ。
首元を縁取るブラウスに特徴のあるこの制服は、
政治家や資産家の子息たちが通う、有名私立学校のそれだった。
「あ、はい。今中等部の三年生なんです。春には、高等部に」
何でもないことのようにさらりと答えられた。
こんな風にお友達にも気を使わせちゃうし」
花束から顔を上げた琴乃ちゃんは、眉間を微かに寄せて。
でも口元には笑みを浮かべていた。
この子は、玲奈さんの妹なんだよね?
なのに、何でこんな風に笑って『みっともない』なんて言い切れるんだろう。
「どうか、しました?」
あたしの戸惑いを感じとったのか、首を傾げる。
「え、ええと……。
あれ? 琴乃ちゃんって、もしかして茗誠学園の生徒なの?」
返答に困って視線をさ迷わせて、気が付いた。
品のいい深緑のブレザーに、見覚えがあったのだ。
首元を縁取るブラウスに特徴のあるこの制服は、
政治家や資産家の子息たちが通う、有名私立学校のそれだった。
「あ、はい。今中等部の三年生なんです。春には、高等部に」
何でもないことのようにさらりと答えられた。