月下の逢瀬
あたしは今日、晃貴と共に福岡へ発つ。
福岡で予備校講師として勤めることになった晃貴と、福岡で暮らすのだ。
『片桐 真緒』として。
あれから。
生徒を妊娠させたとして、晃貴は臨時教員の勤務期日を前に、早々に辞職した。
前後してあたしも学校を中退し、校内はあたしと晃貴との話題でもちきりになったらしい。
片桐先生との恋愛に悩んでいるあたしが幼なじみである理玖に相談し、
それを浮気と勘違いした玲奈さんが自殺未遂。
そんな風に、この話は落ち着いたのだそうだ。
皆が、好意的な目であたしを見てくれてはいないのは当たり前だけれど、
結婚することを祝福してくれる人たちもたくさんいるらしい。
というのを、家までやって来た結衣が教えてくれた。
『先生との恋愛だもん。簡単に言えない話だよね……。
なのに勝手に怒って、ごめん。許してくれないかな?
このまま、真緒と終わりたくないよ』
言いづらそうに、おずおずと言う結衣の優しさが嬉しくて。
これからも嘘をつき通さないといけない罪悪感を感じながら、『ありがとう』と抱きしめた。
福岡で予備校講師として勤めることになった晃貴と、福岡で暮らすのだ。
『片桐 真緒』として。
あれから。
生徒を妊娠させたとして、晃貴は臨時教員の勤務期日を前に、早々に辞職した。
前後してあたしも学校を中退し、校内はあたしと晃貴との話題でもちきりになったらしい。
片桐先生との恋愛に悩んでいるあたしが幼なじみである理玖に相談し、
それを浮気と勘違いした玲奈さんが自殺未遂。
そんな風に、この話は落ち着いたのだそうだ。
皆が、好意的な目であたしを見てくれてはいないのは当たり前だけれど、
結婚することを祝福してくれる人たちもたくさんいるらしい。
というのを、家までやって来た結衣が教えてくれた。
『先生との恋愛だもん。簡単に言えない話だよね……。
なのに勝手に怒って、ごめん。許してくれないかな?
このまま、真緒と終わりたくないよ』
言いづらそうに、おずおずと言う結衣の優しさが嬉しくて。
これからも嘘をつき通さないといけない罪悪感を感じながら、『ありがとう』と抱きしめた。