月下の逢瀬
「空港まで時間かかるし、そろそろ」
「うん」
晃貴に促されて、タクシーに乗り込もうとした時だった。
「真緒っ!!」
背中で声がした。
この声……と振り返ると、そこには理玖が立っていた。
「あ……」
あれ以来、顔を合わせることがなかった。
会うことも、もうないだろうと思っていた。
なのに、何故?
「行く前に、会いたくて」
立ち尽くしたあたしから、隣にいる晃貴に視線を移した。
「片桐先生」
落ち着いた声音。
正面から向き合った晃貴が、小さく首を傾げた。
「何?」
少しの間。
理玖の綺麗な喉が上下するのが見えた。
と、深く深く、頭を下げて、
「真緒を、よろしくお願いします……」
言葉を絞り出すように言った。
「え……?」
「大事な……人なんです。幸せになって欲しい」
頭を垂れたまま、理玖は続けた。
「だから、お願いします」
「理玖……」
泣きそうになるのを、ぐっと堪えた。
もう、理玖のために泣いたらダメだ。
だけど……。
「誰よりも、大切にする」
「うん」
晃貴に促されて、タクシーに乗り込もうとした時だった。
「真緒っ!!」
背中で声がした。
この声……と振り返ると、そこには理玖が立っていた。
「あ……」
あれ以来、顔を合わせることがなかった。
会うことも、もうないだろうと思っていた。
なのに、何故?
「行く前に、会いたくて」
立ち尽くしたあたしから、隣にいる晃貴に視線を移した。
「片桐先生」
落ち着いた声音。
正面から向き合った晃貴が、小さく首を傾げた。
「何?」
少しの間。
理玖の綺麗な喉が上下するのが見えた。
と、深く深く、頭を下げて、
「真緒を、よろしくお願いします……」
言葉を絞り出すように言った。
「え……?」
「大事な……人なんです。幸せになって欲しい」
頭を垂れたまま、理玖は続けた。
「だから、お願いします」
「理玖……」
泣きそうになるのを、ぐっと堪えた。
もう、理玖のために泣いたらダメだ。
だけど……。
「誰よりも、大切にする」