甘い思い
一章

秘密

大学帰りに年柄にもなく、軽くスキップを踏みながら数年前に一人暮らしを始めた幼馴染の家に向かっていた。
幼馴染で弟なフシアは、年齢不詳だが恐らく私よりも年下なのにも関わらず高級マンションの一室で一人暮らしをしている。

最初こそ心配で堪らなかったが、こうして家に通う事を条件に渋々許した。
そもそも、フシアのご両親は許しているのかと聞いてみれば目線を逸らせながら、小さく頷いていた。
これは絶対嘘だ。ずっとご両親とは会った事ないけど。
ご両親のことを含めフシアは謎だらけだ。年齢もそうだし、そもそも生まれだって海外とは言うけど詳しいことは答えてくれない。学校だって行ってないようで、それも聞くが濁されるばかりだ。

でも、良いのだ。フシアは優しいし良い子だし、何より可愛いのだから。
そんな、幼馴染を今日も私は甘やかしに自宅へ向かうのだった。
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