甘い思い
「フシア〜!来たよ〜」

「いっらしゃい、志奈」

合鍵を使って家の中に入れば、緩い家着のフシアが出迎えてくれる。
最近では身長が伸びてきたが、やはり私の方が大きくフシアの方が少し小さい。
そんな小さな彼が手を引いて、早く早くとリビングまで連れて行ってくれる。

「ねね、見て見て!学校近くのケーキ屋さんのケーキいつもは買えないのに買えたの!フシアと一緒に食べたくて買ってきちゃった!」

リビングに着いて買ってきたケーキを見せれば、好物なだけありフシアはキラキラと瞳を輝かせて見入っていた。
普段大人っぽいところもあるが、時々見せるこうした子供ぽっいところがフシアの可愛いポイントだ。

ただ最近は何故だか、甘やかしすぎると何処か拗ねたような態度になってしまう。昔だったら嬉しそうにしてたのにと、少し大人になった証拠に少し悲しくも感じる。
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