【番外編】副社長の一目惚れフィアンセ ~詩織の物語~
性格がそっくりだと言われるけれど、全然そんなことはない。
明里は私よりもずっと繊細で、やさしくて、人の心に敏感だ。
そこがいいところでもあるし、少し心配だったりもする。
「お姉ちゃんも、明里のことが一番大好きだよ。
直斗よりも好きだよ」
「ホント?」
「うん」
明里はパッと顔を明るくして笑った。
愛おしくて、思わず小さな体をぎゅっと抱きしめた。
「お姉ちゃん?」
もっと一緒にいたかった。
明里の成長を見守りたかった。
やさしい明里。きっと素敵な女の人になるね。
私の分まで、幸せになってほしい。
「…明里になら、直斗を略奪されてもいいな」
私の呟きは明里には聞こえなかったようだ。
「お姉ちゃん、大丈夫?」
また不安げな声がして、小さな手が私の背を包んだ。
嬉しくて、切なくて、涙が滲んだ。