【番外編】副社長の一目惚れフィアンセ ~詩織の物語~
ああ、やってしまった。
そういえば素っ気ないというより、頭が回ってなくてぼんやり返事をしているような感じだった気がする。
「なんでそういうの早く教えてくれないの」
「だって詩織は吉井くんに全然興味なかったじゃん。
私も彼氏から聞いただけだし」
そういえば涼香の彼氏は、クラスは違うけど陸上部だ。
こういうのが自分のよくないところなのは自覚している。
向こう見ずで、思ったことをすぐ口にしてしまう。
とにかく謝らなきゃと思ったけれど、同じようにテキストを運び終えた彼はすでにまた机に突っ伏して眠っている。
終礼後はすぐにカバンを持って部活へと行ってしまう。
1年生は先輩より先に行って準備をするから時間に厳しいのだと、涼香から聞いた。
疲れているのなら休み時間にわざわざ起こすのは悪いし、周りの注目を集めるのも面倒だ。