愛よりもお金が大事。
「また同期会したいね?
三原さんが三年前に辞めてから、パッタリしなくなったもんね?」


三原さんという元同期の女の子。
子供が出来ての寿退社で、その子がいつも幹事になって、同期会を開いてくれていた。


同期会なら、冬野も来て。
それがきっかけで、また前のように私と冬野は仲良しの同期に戻れないだろうか?


なんて、それはきっと無理か。
告白だけならともかく、する事してしまったからな。


「あ、じゃあ、俺が幹事になる。
男の社員は全員連絡先分かるから。
夏村、LINE教えて」


「分かった。私も女の子は全員連絡取れる。
じゃあ、読み取って」


私は鞄からスマホを取り出し、高田君とLINEの交換をした。


「じゃあ、スタンプ送っとく」


そう言われ、スマホから顔を上げると、高田君と目が合う。
酔ってるからなのか、高田君がけっこう素敵に見えてしまう。


そういえば、高田君の実家はそこそこ大きな子供服屋で、高田君はそこの三男。
社長秘書の高田君は、年収いくらなのだろうか…。


駄目だ。同じ会社も、同期も駄目だ。
身近な所で恋愛すると、上手く行っても行かなくても面倒だ。


そういえば、この人も冬野が私の事を好きなのを知っているのか。
美里の話なら、同期みんな知ってるって言ってたから。



「夏村、届いた?」 


「え、あ、うん」


接待でスマホをマナーモードにしていたから、音が出なかったみたい。
"お疲れさま"とサラリーマンが頭を下げているスタンプが目に入る。
なんか、高田君らしい。


「とりあえず、また後でグループ作って招待するから」


高田君がそう言い終わると同時に、岡崎社長が戻って来た。
その瞬間、高田君は社長秘書として仕事モード。


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