愛よりもお金が大事。
「え、一体どういう事?」


なんとなく、私が騙されていたのは分かるのだけど。 


「美波ちゃんがうちの会社の営業部一課に派遣で来てたのは前から知ってて。
で、夏村が一課に暫く移動する事になって。
美波ちゃんに、俺がどうしても落としたい女が居るから、協力してってお願いしたんだよ」


「でも、私の言った通りだったでしょ?
夏村さん自分で気付いてなさそうだけど、絶対に透君に気があるって思ってて。
だから、ライバルが現れて競争心を煽るのが一番だって」


栗原さん、冬野の事を透君って呼んでるのか、とか、仲良いんだ、とか、嫉妬じゃなく思う。
冬野と栗原さんの間にあるのは、兄と妹のような雰囲気。


騙されていて腹立つような気持ちがないわけじゃないけど、
栗原さんがライバルじゃなくて良かった、と安堵する気持ちの方が大きい。


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