愛よりもお金が大事。
「冬野さんがうちで同居するのが反対だとかではないのですが。
こちらに気を使ってとかなら、それは辞めて下さい。
それに、今までと同じように、花梨がうちにお金を入れるというのも。
結婚したら別世帯なので、それは遠慮しようと」


「いや、でも、私が今まで通りじゃないと生活厳しくない?
それに、ついでだから言うけど、蓮と蘭の大学の費用だって、私、ちゃんと貯金してるから」


冬野と母親が話しているのに、そう割って入ってしまう。



「あ、あの、花梨ちゃん…。
多分、花梨ちゃんが私達を大学に行かそうと頑張ってるのは、うっすらと気付いてたんだけど。
気付いてたから言えなかったんだけど、私は大学よりも、美容師になる為に専門学校に行きたくて。
もしくは、ネイリストに…」


そう、蘭は申し訳なさそうに言う。


「いや、蘭何言ってるの?
美容師って…」


言葉に、詰まる。
特に反対する理由が見付からない。


立派にこの子を大学迄出してあげたいと思っていたけど、蘭本人が美容師になりたいなら、それはそれで応援してあげたいから。

蘭が昔から、お洒落が大好きな事を知っている。


「だから、大学程じゃないけど専門学校もそれなりにお金は掛かるから…。
やっぱり、花梨ちゃんに甘える事になるんだけど。
でも、ちゃんと就職したら、花梨ちゃんにはそのお金を少しずつでも返すつもり」


「いや、それは返さなくてもいいよ」


はっきりとした金額は分からないけど、二年制の専門学校なら、大学費用と思っていた金額の、半分くらいだろう。


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