Contact〜再会した初恋の君に〜
高校から入学してきた彼女は俺たち高校生とは違うルートを使う小学部の通学路を知らないだろう。
小学生は俺たち高校生とは別の道を通って学校に向かうのだが、4月初めの頃はたまに駅で方向を間違える子がいるのだ。
俺を含め小学部から通っていた奴らが素通りしていく中、通学路を知らない彼女がその小学生に声をかけ、一緒に登校してあげていた。
その後もたびたび困っている人に手を差し伸べる彼女を見かけることがあって、はじめは「おせっかいなヤツ」だと思っていた。
そういえばそのおせっかいのおかげで俺も助けられたことがあったな。
「瀧本、これ数学教材室に置いてきてくれないか。頼むよ」
俺の担任が職員室の前を歩いていた俺に教材室の鍵と教科書や資料を持って呼び止めてきた。
「先生、今日はマジ急いでるんで無理です」
「机の上に置いとくだけでいいから、頼むよ」
「いや、だから急いで帰らないといけないんですよ」