Contact〜再会した初恋の君に〜
同じ大学に進学するなら、高校の時に絶対に告白していただろう。
俺はあの時、自分の気持ちを伝えないことが正解だと思っていた。でも、もし…告白していたら、彼女は遠距離でも付き合ってくれただろうか…。
過去を悔やんでも仕方ないが、彼女の記憶をいつも鮮明に思い出せる自分としては空白の8年間がとても大きなものになってしまった。
東京に戻ってくればまた会える機会もあるだろうと期待はしていた。
俺がこの病院に勤務することになったのは叔父が医院長と知り合いだったからだ。こちらに赴任することになった叔父が、俺も一緒に勤務させてくれるようにお願いしてくれた。
まさか、ここで田中に会えるとは思っていなかったので、初めて見かけた時は戸惑いと嬉しさで興奮した。
ただ、あれから会えていない。彼女を見かけることはあっても、俺が見かける彼女はカウンセラーの補助についていることが多く、一人でいるところをほとんど見ていない。
帰りの時間を狙って待ち伏せしていると、彼女より先に通用口にきた子たちに捕まってしまい、目の端に帰っていく彼女を見送るという事態だった。