【短】だからもう、俺にちょうだいって。




「黒田くんがもし、そういう気持ちで渡してきてたら…断るね」


「このみちゃんの全身にチョコ垂らしてえ」


「……はい?」



また何を言ってくるの、結多くん。



「あ、ごめん。“うん”って返したつもりが本音と建前が逆になりました」


「…もう。全身チョコまみれになっちゃったら大変だよ」


「ほんと大変だよ。とりあえず写真撮って最大サイズにプリントして部屋に飾るとこから俺の人生は始まる気しかしねえよ」


「………ばかすぎるよ、結多くん」


「ありがとう」



ほ、め、て、な、い。



「もちろん俺は天井に飾るね。そしたら起きた瞬間に女神様と“おはようございます”だよ。あれ?待って、おやすみもじゃん、おやすみ女神じゃん、おはようからおやすみまで女神から女神じゃね?
このみちゃん……ホワイトチョコもアリ?」


「…ホワイトチョコも…すき」


「……ごめん今のはアウト、忘れて。こんな純粋無垢な子に何ほざき散らかして言わせてんだ俺は。最低だわマジで。
今のは俺以外の男に言ってはならないセリフぶっちぎり1位だからね、このみちゃん」



< 18 / 33 >

この作品をシェア

pagetop