【短】だからもう、俺にちょうだいって。




結多くんという存在はどうやって作られたんだろう……って、真面目に気になってしまうときは今みたいなとき。



「でもさ、これを機に……俺このみちゃんに困ってるとこあるから言っていい?」


「え…?」


「直してほしいとこ、あるから」



そんな結多くんからの初めての告白。

どうしても今日じゃなきゃダメ…?と、すがりたい気持ちを抱えながらも言葉を待つ。



「まず、スカートが果てしなくみじけえ」


「えっ、そうでもないよ…?」


「いや、そうでもあります。そうであるから言ってんです、そうでしかないんです。
やめてください反論は。このみちゃんは今は反論しちゃだめ」



もっと短くしている子はいるし、私は至って平均的な長さだ。

とっくに裾あげをしちゃったから、ここから伸ばすほうが難しい。



「あと体育の時間のポニーテール。あれどういうことだよおい。ダメだろアウトだろ、ほんと良くないよこのみちゃん」


「それは…、髪が長い女の子たちはみんなしてるよ…?」


「んなもんどーだってええねん」


「……関西弁」



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