【短】だからもう、俺にちょうだいって。




出た、よく分からない決めゼリフ。

公園デートがお家デートに変更になったときは、「俺たちだけのブランコしようぜ」とか言ってきたりする。



「んっ…、ふっ、ゃ…っ、」


「…やば、あっめえ」


「ゆいたくんっ、まって…っ」



私の姿を隠すみたいに結多くんが着ていたカーディガンを頭からかけられて、大好きな存在のぜんぶに包まれるお昼休み。



「んんっ…、はっ、んぅっ」



だんだん息苦しくなってゆく。

学校で何してるんだろうって背徳感と、私と結多くんがセットで抜けて出していることに対する緊張感。


ようやく離れた唇と意識を戻してくれた、お昼休み終了のチャイム。



「こうして無事に俺たちは次の授業をサボったわけだけど。…ここ、誰か来たりする?」


「…ううん、今日は司書の先生も……お休み、だから…」


「だよね、実は知ってた。あ、でもお腹空いてない?平気?」


「…あの、これ、一緒に食べる…?」


「………」



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