あさまだき日向葵
結局、いつも日野くんがうまく場を和ませてくれて、誉田くんもさほど変人扱いされずに済んでいた。
「だな。さ、冗談はさておき、せっかくだからこの6人で思い出つくろうぜ」
日野くんがそう言って、このメンバーで何かをすることは決まった。
ところが、全然みんなと予定が合わない。
……清夏が部活生だったことは、この時に初めて知った。
すると、日野くんが新たな提案をしてきた。
「男女ペアで。男子と女子は求めるものが違うだろ? それでもどちらも満足するように協力する。それでどのペアが一番夏を楽しんだか、新学期に発表しようぜ」
「いいな」
直ぐに誉田くんが同意して、提案はすぐに決定事項へと変わった。
「ペアはどうやって決めるの?」
「クジ!」
日野くんが手際よくその場でクジを用意してくれた。
「レディーファーストで」と、私たちにその紙を渡してくる。
「や、やだよ、男子から!」
って陽葵が言ったら、誉田くんが躊躇うことなく折られた紙を一つ手に取った。
続いて塔ヶ崎くんが一つ、残ったのを日野くんが取った。
三分の一。ペアにならない確率が7割近い。なるわけがない。大丈夫、大丈夫。
どうか、大丈夫ですように!塔ヶ崎くんだけは嫌。そう強く強く願っていたら、私の手元の紙は陽葵に回収されていた。
「だな。さ、冗談はさておき、せっかくだからこの6人で思い出つくろうぜ」
日野くんがそう言って、このメンバーで何かをすることは決まった。
ところが、全然みんなと予定が合わない。
……清夏が部活生だったことは、この時に初めて知った。
すると、日野くんが新たな提案をしてきた。
「男女ペアで。男子と女子は求めるものが違うだろ? それでもどちらも満足するように協力する。それでどのペアが一番夏を楽しんだか、新学期に発表しようぜ」
「いいな」
直ぐに誉田くんが同意して、提案はすぐに決定事項へと変わった。
「ペアはどうやって決めるの?」
「クジ!」
日野くんが手際よくその場でクジを用意してくれた。
「レディーファーストで」と、私たちにその紙を渡してくる。
「や、やだよ、男子から!」
って陽葵が言ったら、誉田くんが躊躇うことなく折られた紙を一つ手に取った。
続いて塔ヶ崎くんが一つ、残ったのを日野くんが取った。
三分の一。ペアにならない確率が7割近い。なるわけがない。大丈夫、大丈夫。
どうか、大丈夫ですように!塔ヶ崎くんだけは嫌。そう強く強く願っていたら、私の手元の紙は陽葵に回収されていた。