公爵閣下、あなたが亡妻を愛し続けるので後妻の私を愛せないというならお好きなようになさったらいいですわ。ただし、言行不一致で私を溺愛するなんてことは勘弁して下さいね
「その、大きな声を出してしまって失礼いたしました」

 こんなボロボロの夜着姿を見られてしまい、穴があったら入りたくなる。

 本来なら、胸元がおもいっきり開いているようなセクシーなものを着用するはずなのよね。実際、姉が遺している夜着は、デザインが大胆すぎる上にあざやかすぎる赤色系やいかにもすぎる真っ黒な色合いのものしかない。しかも、生地は全体的にスケスケ状態。
 好み以前に、そんなものを着用して眠りでもすれば、風邪をひくかお腹を壊してしまう。

 というか、姉はあんな恥ずかしすぎる夜着をどこで購入したのかしら。下着も衝撃的だったけれど、街のお店にあんな夜着や下着のお店があるのかしら。それとも、ふつうの貴族のご令嬢たちはああいうのを着用していて、御用達のお店が存在しているのかしら。

 不思議でならない。

 購入ルートはどうでもいいとして、あんな夜着や下着を着用して公爵と夜をともにするわけ?

 まあ、姉と公爵は夜をともにすごすことは一度もなかったらしいからいいけれど、想像しただけでこちらが恥ずかしくなってしまう。

 とにかく、姉の遺したものはクローゼットの奥の方に封印し、自分が持って来たボロボロのを着用している。
< 108 / 356 >

この作品をシェア

pagetop