恋のGraduation
普段は、利用者である子供たちや、その親御さん、自分たちより年上のパート職員らに気遣うことも多いけれど、経営者にだって、たまには休暇は必要だ。

私が、飛行機だけは怖いから、どうしても無理だと言ったこともあり、移動だけでもかなり時間がかかってしまう。

それでも私たちは、長距離移動で不機嫌になることもなく、新婚旅行ごっこと称して、ふざけながら過ごしていた。

宿に着いたときは、もう暗くなっていた。

チェックインしようとした時、フロントマンが青ざめてその場を離れたので、どうしたのだろう?と、シュンと顔を見合わせる。

「大変申し訳ありません…!シングルが二部屋でしたよね?こちらのミスで、シングルはもう満室になっておりまして…」
< 41 / 55 >

この作品をシェア

pagetop