うそつきな唇に、キス




始終にこにこしていた睿霸は、わたしへ今回の事の発端を教えてくれた。



「実は、ここんとこ本家のほうでちょいごたゴたあってな?それに関わったんが今回えるちゃんに捕獲してもらいたい人間なンよ。裏の界隈に指名手配みたいなもん出しとって、昨日ようやくえるちゃんに今から行ってもらうカジノで情報屋と落ち合うっちゅーのを掴んだわけなんやけど、……これガそいつの人相や」



ほい、とスマホの画面を見せられて、そこに流れていた男の特徴をみっちり頭の中に詰め込んだ。

年齢56、身長174、髪は短髪の黒、瞳は琥珀色、あと覚えるべきは顔のパーツの配置、かな。口調と声音もインプットできたし。


たっぷり、およそ10秒画面を見つめたのち、睿霸へと視線を移す。



「……捕獲方法はどうするつもりなんですか?」

「んー、出来ることなら生きたまんマとっ捕まえてほしいんやけど、まあそこはえるちゃんの判断に任せるわ」



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