うそつきな唇に、キス
……なんというか、それっぽい理由には聞こえるのだけど。
きらきらした目を向けてくる睿霸の裏側は、何だかそれだけじゃない気がして。
「……それって建前では?」
「ダってチトセの素養持っとる子が目の前におるんやで?!コスしてホしい思うのはなんもおかしないやろ!」
「それが本音ですか……」
すこし突っ込めば、すぐさま言っていたことを逆転させてくるんだから、本当にわけがわからない人だと思う。
あと、人を振り回す天才。
「……この金髪ボブのウィッグと赤いドレスもそのためですか?」
「んー、まあそれもあるんやけど、やっパいっちゃんは変装目的があるからやな。えるちゃん、そのまんまでもじュうぶん目立つさかい、変装せなえるちゃんって一発でわかってしまうんよ」
「なるほど……。では、概要を聞かせてください」
「ほんま、えるちゃん相手やと話早くて助かるワ」