うそつきな唇に、キス
Liar / アンサー
ꄗ
「すみません、遅くな─────、」
「える!!!!」
そこにいるだろう若サマと琴へ謝罪の言葉を口にしながら教室の扉を開けた瞬間、なぜか目の前に現れたのは、琴の焦ったような顔だった。
そして、わたしが睿霸の肩を支えていることなんてまるで見えていないかのように、そのままの勢いで肩をがっしりと掴まれ。
「無事か?白棟の奴らになんか変なこと吹き込まれたりされたりしてないか?えるのメンタル的に多少嫌味とか罵詈雑言吐かれても問題なさそうだけどとりあえず無事か?!」
「無事って2回言ってますよ、そして見てわかる通り怪我はないです。というか、どちらかというと琴に肩を掴まれて私の腕を離れた睿霸が無事じゃないですね……」
予兆なくわたしの腕から肩を離されたせいでよろめいた睿霸が、かなり派手に机に足をぶつけていたけど、無事だろうか。
「……ああ、喵様いたのか」
「側近クんってまあまあ僕のこと嫌いやし存在無視するよな?!」
「そんなことはないです。喵様よりえるの方が優先度が高いだけなので」
「それは知っとルけどお!!!!」