うそつきな唇に、キス
「若サマをわざと目立たせ、あまつさえ隙を作ろうとしていることなんて、これだけ一緒にいれば誰でも気づきますよ」
あともう少しで12月に入ろうとしている。
若サマたちと出逢ったのが6月。
およそ半年に近い時間があれば、ある程度のことは探れてしまう。
……微かな布石を打つことさえできてしまうのだから。
「……えるとしては嫌な結論だろうが」
「?……え、どうしてそう思ったんですか?」
結論への帰結がどうにも理解できなくて首を傾げると、若サマもどこか不思議そうに首をかたむけた。
「……おれを狙う者が身内ということは、ほぼおれの周囲の者すべてが敵ということになる。その渦中に置かれることが嫌ではないのか?」
「?嫌ではないですよ?……わたし、狙われていたわけではありませんが、わたしを育ててくれた周囲の人全員に嫌われてはいましたので」
わたしが〝あの場所〟で受け続けた視線。
それは、おぞましいという言葉とともに向けられ、しばらくしてから彼らの瞳に嫌悪という感情がのっていることを知った。