うそつきな唇に、キス




あの時は……、確かクラスメイトに呼び出された時、だったかな。

まともにふたりの前で鼻血を出したのはそれが最初で最後だし、たぶん合ってるはず。


というか、そんなに前に調べ終わってたんだ。




「そうなんですね。……でも残念ですが、それはわたしにも答えられないんです」

「……と、いうと?」

「逆にお聞きしますが、若サマは疎んでいる人に、嫌っている人に、わざわざ有用となりし情報を与えたりしますか?」

「……………、」




そう聞くと、若サマは沈黙した。


……わたしは、わたしについて何も知らない。

どこで産まれ、どこで育ち。

己がいた環境が、普通か否かも知らないまま。


ここまで、やってきた。




「わたし、最初自分のことを女じゃなくて男だと思ってたくらい、自分について何も知らないんです。そんなわたしが、第二の性云々について、知ってると思いますか?」




答え、に近い回答を提示した。

実際わたしはもう知っているようなものだけど、ここではまだ、完璧な解を答えられない。それはまだ推測の域を出ないから。

だから、嘘にならない範囲での補完を、彼らに与えた。


……ら。



「えっ、ソうなん?!?!」




意外な方向から、驚愕の声があがった。




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