うそつきな唇に、キス
「いや………、」
「……………、」
「その………、今のセリフに、どこか既視感?のようなものが、あって……」
「エ?難しー顔ガ?」
「いえそっちではなく」
睿霸の言葉を一刀両断するようにずばりと否定した琴は、困惑した顔でわたしへと視線を移して。
「えるの……、」
「え、えるチゃんの笑い声に既視感も何もある?」
「いやそっちでもなくて」
思い当たることこそが不可解だとでも言いたげに片眉を下げ、目尻も下げた琴は、呟く。
「………喵様が話してくれた、えるの男口調のセリフ、どっかで聞いたことある気が、する、…………んですよね、」
「へッ?」
「…………、」
困惑しながら吐露された言葉はさすがの睿霸も予想外だったのか、ぽかんと口を開けたあと、今度はゆっくりとわたしを振り返り。
「…………………マってまってまってどゆこと?!こんなかで僕ダけ既視感ないとかどゆこと?!」
「それはそういうことだと思います、喵様」
違った。若サマや琴とは全然違った方向にショックを受けていたらしい。