恋の仕方、忘れました
「………………ん?」
「だからね、新しい彼氏が出来ちゃったの」
二度同じことを繰り返した彼女の台詞が、すぐには理解出来なかった。
ぽかんとする私を横目に、照れくさそうな表情でお姉ちゃんは話を続ける。
「実はね、1週間くらい前かな?裕真とは別れたんだ」
「……うそ、」
さっき以上に心臓がバクバクと鳴り出して、冷や汗が浮かぶ。
やっぱり先にバレてしまったんだと気付き、頭が真っ白になった。
「え、と、あの、お姉ちゃん、ご、ごめ…本当はもっと早くに、」
「裕真ね、付き合い始めた頃から何人もの女と浮気してたみたいで」
「へ?!」
これはすぐにでも詫びなければと、必死に言葉を紡いだけれど、それを遮ったお姉ちゃんの衝撃発言によって思わず大きな声が出た。
ひとり横で焦りまくっている私に気付きもしないお姉ちゃんは、天井を見上げ何故か微笑みながら語り続ける。
「全然気付かなかった私もおかしいんだけどね。裕真ってさ、誰にでも優しいし人当たりいいけど、別にイケメンな訳でもないからまさか浮気するなんか思わなくて、だからほんと、びっくりしてさ」
「お、おん……」
「もう出会った女全員食べるくらいの勢いで、抱けそうな女と片っ端からヤってたらしいのよ。どう思う?びっくり通り越して、引くよね」
「それは…酷いね……」
「ね、キモいでしょ?イケメンどころか下の中くらいの顔面偏差値なのに、ほんと最悪」
お姉ちゃんの口調は私よりおっとりしているタイプだけれど、言ってることは結構酷い。普通にディスってる。そして何故か笑顔だから尚更怖かった。
でもまぁ彼女が裕真さんにされた事を思うと、貶されても仕方ないけど。