恋の仕方、忘れました
「仕事もう落ち着いたよ。ありがとうね」
「ならよかった。おかわりもあるから、いっぱい飲んでね」
笑顔で私を見据える彼女が、私はやっぱり好きだ。
何故こんなにいい姉を悲しませるようなことをしてしまったんだろうと、後悔が募る。
油断したら今にも涙が零れてしまいそうだった。
「隣の県に行かなきゃ手に入らないなんて、飲むの勿体なく感じちゃうなぁ」
「そんなことないよ、また行けばいいんだし」
とにかくこの気持ちを誤魔化したくて話を振れば、お姉ちゃんは声を弾ませる。
まるで、その道中が楽しかったような。
なんなら、また行きたいみたいな。
───ん?そういえば、
「あれお姉ちゃん、バイクの免許なんて持ってたっけ」
「え?あ、あー、うん、それね」
突然口篭るお姉ちゃんが気になった。
何だか私に後ろめたいことがあるみたいに見える。
不思議に思って小首を傾げていると、お姉ちゃんは「そのことなんだけど」と急に改まって私の横にちょこんと座った。
「今日、話があるって言ったじゃない?」
「う、うん」
「私ね、実はね
─────新しい彼氏が、出来たの」