恋の仕方、忘れました
「じゃあお前こっち」
主任は私の手を引くと、一度立ち上がらせる。
そのままデスクの上に座らされ、少し目線が高くなったことで主任との距離が近くなった。
こういうの、漫画とかで見たことある。
それを今自分がしているのかと思うと、恥ずかしい気持ちとちょっとしたスリルに気持ちが高ぶってくる。
「主任、大胆ですね」
「お前がやめるなって言ったんだろ」
「人のせいにしないでくださいよ」
「生意気」
軽く睨みながら私を見下ろす主任は、突然手を裾から突っ込んできたかと思うと背中を伝ってある部分に触れた。
プチ、と音がして、その途端身体に感じていた圧迫感から解放される。
それが下着のホックを外されたのだと気付いた時には、その手は前に回っていた。
「え、主任、まってこんなとこで」
「脱がなきゃ大丈夫」
「その発言は主任らしくないですよ!」
「ちょっと黙って」
焦って騒ぐ私を一蹴した彼はそのまま唇を塞ぐと、キスを落としながら服の中の手を動かす。
意味をなしてない下着を避けて、膨らみに触れた。
口調とは反対に、まるで腫れ物に触るように優しい手付きは、初めて身体を重ねた日と変わらない。
ゆっくり、優しく動くその手が寧ろ官能的で、思わず吐息のような声が漏れた。