恋の仕方、忘れました
元々彼女が私を良く思っていないのは主任だって知っている。主任どころか、営業課全員が分かっていること。
それでも、自分の好きな人に自分の悪口を言われるのは胸が痛かった。
主任はどんな顔をして聞いているんだろう。
私が課長に愛想笑いをしたように、主任も笑って聞き流しているのだろうか。
あんなに騒がしいと思っていたこの場所は、今はお局の声しか耳に入らない。
頭が真っ白になって、心臓がばくばくと音を立てているのが分かる。
それくらいに心は乱れ、お酒のせいかいつもの様に平静を保つのが難しい。
「さすが枕営業してる子は違うわよね。上にはいい顔しかしない。清楚系ビッチっていうの?一番タチ悪いわ」
「ちょっと、声大きい。本人に聞こえちゃう」
他の人がクスクスと笑いながらお局に声を掛けているのが分かる。
大丈夫だよ。もう全部聞こえたし。
悔しいとか恥ずかしいとか、色んな感情が混ざって、どんな顔をすればいいのか分からない。息が詰まりそう。
主任は皆に愛されているのに、彼女はこんな嫌われ者でいいのだろうか。
私が主任に相応しくないことは、付き合う前から分かってはいたけれど。
それを伝える度、彼は私を安心させてくれるけれど。
それでもやっぱ、苦しいよ。