隣のアイツ!〈上〉
〜By玲奈〜
【体育祭当日】
「…えー、体育祭で怪我をしないよう、元気に頑張ってください」

       ✢

「校長先生の話、長かった〜!」

「そうだね~。でも、体育祭当日だよ!瑠衣くんにいいところ見せないとね、玲奈」

「うん、頑張る!今日のためにたくさん練習してきたんだもん!」

今日は待ちにまった体育祭!
ほとんどの競技に出場している瑠衣のためにも、私たちが頑張って、少しでも負担を減らして空軍を優勝させるんだ!

「それで〜?玲奈は瑠衣くんのこと、好きになったの?」

「!全然好きじゃないよ!…ただ、前よりはいいやつだなって思うようになったけど」

今は誤魔化したけど、私、この頃瑠衣を目で追いかけてる感じがするんだよね、
でも、これは好きじゃなくて心配なだけ!
…のはず

『女子騎馬戦に出場する人は正門前に集まってください!』

「あっ!私もう行かなきゃ!次は男子の徒競走だから、しっかり瑠衣くんを応援するんだぞ!」

「!私のことはいいから早く行きなよ!」

「はぁい、あぁおもしろい!」

いや、最後の聞こえてるって!
ちよちんはイタズラなところがあるからなぁ


『次は、プログラム3番男子による徒競走です。』

放送が聞こえたとき、私は瑠衣がどこにいるのか、探している自分に気がついて、赤くなってしまった

「瑠衣のことはなんとも思ってないはずなのに…」

そんなことを言っている間に瑠衣の番が来た
一緒に走る相手には陸上部や野球部がいる…

『位置について、よーい、パン!!!』

スターターピストルの音とともに5人が一斉に走り出す!…と思いきや
瑠衣がスタートダッシュで滑ってしまった
今は、ダントツで最下位だ
瑠衣、頑張れ、頑張れ、頑張れ

「瑠衣ー!頑張れー!!」

そういった途端、瑠衣が一気にスピードアップして、2着でゴールした!

「良かった〜」

次は、私の番だ!空軍のためにも頑張らないと!
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