サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
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「日本酒とビールならどちらがお好きですか?」
「仕事の呼び出しがあるかもしれないので、お水で結構です」
「……そうですか」
「話があると仰ってましたが、どのような……?学会の準備もあるので、あまりお時間をお取り出来ないのですが」
「……お忙しい方なのですね」
「世間話は結構ですので、本題のみお願いします」
いかにも挑発的な視線を向けられ、心中穏やかではない。
けれど、相手の言いなりになるつもりもない。
彩葉は至極冷静に相手の表情を捉えていた。
「昨日、私と彼……郁さんの話題がメディアで取り上げられたのはご存じですよね?」
「……えぇ、それが何か?」
「仕事熱心で経営者としてもブレがなく、紳士的ですし……。何より、曲がったことが嫌いな性格だからこそ、愛する女性は一人だけ……」
「……何が仰りたいのですか?」
「ンフフッ……」
冷笑しながら彼女はビールを口にした。
「世間では、郁さんの相手は私だと思われています」
「………」
「こう見えて、好感度はかなり高いんですよ?……わ・た・し♪」
「………」
「昨日から今日の夕方までは株価も上がる一方でしたけど、先程夕方にあった報道で、一気に株価も下がり始めてしまって。……ンフフッ」
株価?!
どういうこと??
スキャンダル一つで最大手の航空会社の株価が下落したっていうの?
テーブルの下で、スマホで株価を確認すると、ASJの株価が急激に下落している。
株には詳しくないけれど、これがよくないことを示しているということくらいは分かる。
『先輩、株価が下落するとどうなりますか?』