サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)

社長室に入ると、父親の他に重役が数名いる。
株価とガセネタのニュースを眺めていた視線を俺へと向けて来た。

「どうするつもりだ」
「どうするも何も、その報道されているようなことはありません。私には婚約者である女性一人だけです」
「では、何故このようなことになる」

たった一時間で株価が急落し、下がり続けている。

「既に手は打ってありますので、ご心配には及びません」
「だが、それが上手くいかなった時はどうするつもりだ」
「そうですよ。幾ら後継者とはいえ、責任は免れませんよ?」
「承知してます」

自分に非が無くても、こうして会社に迷惑が発生している以上、何かしらの責任を負わなければならない。
会社を背負う立場上、覚悟のうえ。

「一カ月、……いえ、二週間下さい。必ず、ご期待に応えますので」
「本当だな?」
「はい」
「では、ニ週間だけ猶予を与える。必ず結果を出すように。常務たちもこれで納得できるか?」
「……社長が宜しいのであれば」
「私も同意見です」
「ではニ週間以内に、リカバリーした上で明確な結果を出すように」
「承知しました。お忙しい中、お時間を割いて頂き有難うございます」

社長と重役らに深々とお辞儀し、部屋を後にした。



「本部長、大丈夫でしたか?」
「……ん、何とか」

社長室の外で待機していた酒井が心配そうに声を掛けて来た。

「ニ週間以内に解決した上でリカバリーしないとならない」
「ニ週間……」
「悪いが、暫く残業を強いる形になりそうだ」
「分かっています」
「すまない」

株価を上げねばならないし、失った信用を取り戻すためにもインパクトのある打開策が必要だ。

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