サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)



「酒井」
「はい、本部長」
「彩葉からその後、連絡があったか?」
「いえ、ございませんが」
「……そうか」
「何か、ご心配ごとでも?」
「いや、……三日も帰宅してないようなんだ」
「え?……三日もですか?」
「あぁ」
「ご連絡を入れられてみては?」
「入れてはいるんだが、繋がらないし、返信も無くて」
「えっ?」

最初の報道があってから既に五日が過ぎようとしている。
年末は寝る暇もなく対応に追われているのは分かっているが、メール一つ無いということが今まで一度も無かった。

どんなに忙しくても、メールや留守電くらいは残す彼女だから、心配になってしまう。

それに、ゴシップ記事のことで要らぬ心労をさせてしまっていることも心配だし、だからこそ気を遣って連絡を絶っているのでは?と不安に駆られる。

昨夜も帰宅した気配が無かった。
日中に帰宅することもあるだろうと思い、メモを残しておいたのに、帰宅するとメモがそのままになっていた。

マンションのコンシェルジュに確認しても、ここ数日見ていないと言うし。
帰宅したら一番最初にシャワーをする彼女なのに、ボティタオルも濡れてないし、浴室乾燥も稼働していないところをみると、一度も帰宅してないことを示している。

一昨日までは呼び出した後に留守電に切り替わったが、昨日から『電源が入っていないか…』というアナウンスが流れて来る。
彩葉の身に何かあったのだろうか?

「五日後を三日後に繰り上げられるか?」
「……何とか調整してみます」
「すまない」

一日でも早く決着をつけて、彩葉に逢いたい。
あの女に印籠を渡してないから、もしかしたら彩葉は俺に幻滅したのではないだろうか?と不安に襲われる。

一分一秒でも早く、あの女を闇に葬らねば……。

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