サイコな機長の偏愛生活(加筆修正中)
「今、お腹に私達の赤ちゃんがいるんです」
「………へ?」
「病院長の息子である久我医師と先輩夫妻のお陰で、何とか失わずに済みました」
「………」
「だいぶ安定して来たとはいえ、まだ完全に安心できる数値ではないんですけど」
「ちょっと、待て。………赤ちゃんって、……妊娠してるってことか?」
「……はい」
「っ……」
先輩から聞かされてなかったようだ。
ここに迎えに来たということは、先輩が教えなければ分からなかったはずなのに。
空いている方の手が、寝ている私の頬に伸びて来た。
そっと触れる彼の手から伝わる温かいぬくもり。
それと、私が好きな上品なシトラスの香りが鼻腔を擽る。
頬に触れる手が離され、ベッドに腰掛けた彼は、盛大な溜息を漏らした。
そして、軽くアレンジされた髪をくしゃくしゃになるほど掻き乱して。
次に視線があった、その時。
「お前なぁっ、いい加減にしろよっ?!俺を何だと思ってんだよっ!!」
「ッ?!」
「葛城医師に責めないでやって欲しいって言われたから、我慢しようと思ったけど」
「っ……」
ヤバい。
目が完全に怒ってる。
「白血病だとか、骨肉腫だとか……俺が知らないような難病なのかと思って、マジでハラハラひやひやしてたんだぞっ!」
「っ……、ごめんな「いいか、よく聞けっ!」
「……はい」
「縁起でもないこと言いたくないけど、例え流産したとしても、俺の気持ちは変わらないしっ、たった数日でも俺らの子がいたという事実は変わらないだろっ」
「っ……」
「マジで一人で煮詰まんじゃねぇよっ!!考える時も決断する時も、俺も一緒にいさせろやっ」
「っ……、ごめんなさ「くそっ、……カッコ悪っ」
ボスっと首元に倒れ込んで来た彼。
初めて激昂した彼を目にした。
けれど、それがこの上なく嬉しい。
だって、私を愛してるからこそ、向けられた感情だと思うから。